北枕

北枕の出典は、ココから来ています
北枕の出典は、ココから来ています

設計演習の中、一人の学生が「あっ、北枕になっちゃった!」と言ったので驚きました。この十年くらいほとんど死語になった感じの言葉ですが、若い学生がそれを知っていたことと、それを気にしている事に驚いたのです。本人に聞くと、気にするわけではないが、そんな話を聞いたことがある、と言っていましたが、きっと年寄りに聞いたのでしょう。確かに死んだ仏さんは北枕で寝かす習慣は残っていますが、それとて東西方向のベッドで亡くなれば北枕はありえませんし、病院でも有り得ないでしょう。

 

「鬼門とかに関係するのですか?」と聞かれましたが、正直、私も理由は知りませんが、鬼門とは関係ないはずです。仏教の何らかの習慣に由来するのでしょうが、仏教国全体の習慣でもなさそうです。縁起が悪い、という程度のもので、鬼門の様に災いが来る、という質のものではないので、あまり意識しない人がほとんどだと思いますが。

 

縁起が悪い、という意味では各国、各地に色々な言い伝えがあります。「夜に爪を切るのは良くない」や「夜の蜘蛛」、「夜の口笛」、「夜の掃除は良くない」、「畳の合わせ目は十字にしない」などは日本の伝統的縁起で、「前を黒猫が横切るのは不吉」というのは海外の有名な話です。夜に関してが多いのは、やはり不吉なことは暗い夜に起こるという事でしょうか。その意味では、現代の夜はちっとも暗くないですが。畳の合わせ目だけは夜と無関係ですが、やはり死んだ仏さんの安置と関係があるそうですが、最近ではデザインでわざとその様に敷く方法もあります。

 

風水や家相もそうですが、この手の話は、それを信じる人には何を言ってもダメです。北枕なんて縁起でもない、あなたは世間知らずですね!って言われるのがオチです。地球の地磁気から言うと、北枕は身体にいいそうですよ、って言う話は無意味です。泣く子と年寄りにはかなわない、と言われていますが、住宅の世界では、家相と縁起担ぎにはかなわない、です。理屈が通らないのでただ従うしかありませんので、ものすごいストレスになります。つまり、明らかに変な設計でもやむを得ない、という事になりますので。

 

但し、よした方が良い、という事を無理にする事もないでしょう。本当に病気でもなって、設計のせいにされても困るので。

時に応じてで、柔軟に対応するしか無い世界です。