色々な色

シンプルにまとめました 後は生活の色に染まるでしょう
シンプルにまとめました 後は生活の色に染まるでしょう

住宅の中には、色々な色が見られます。壁や床の色はもちろんですが、実際にはそれ以上に、家具、テーブルクロス、カーテン、家電品、イスや机、食器や花瓶、そして花瓶の中の花など、建築に関係のない色も無数にあり、むしろそうした色の方が多いくらいです。住宅におけるインテリアデザインというのは、そうした小物類にまで気を配る物なのですが、実際にはその小物を購入するのは住民なので、居住者の意志で変わってしまうのが実情です。

 

一般的な住宅の設計では、インテリアデザインというのは床、壁、天井、建具、カーテン、照明程度までしか決めません。家具は手持ち品であることが多く、必ずしもトータルではデザイン仕切れない事が多く、それ以外の家電品やクッション、テーブルクロス、多くの小物類は適用の範囲外です。いや、カーテンや照明まで決められればまだ良い方かもしれません。その辺になると予算が限られて来るので、量販店の既製品をセールで買ってくる、というのがほとんどです。なので、床、壁、天井、建具で終ることのほうが多いかもしれません。とすると、全くの片手オチです。

 

私は多くの内装材を選ぶ時、基本的にニュートラルな色調でまとめてしまいます。つまり、あまり色味では個性を出さず、素材感だけで表現し、しかもその後の施主によるその他諸々の商品にとっても、とりあえず無難にまとまるような色調で決めてしまいます。なので、お多くの場合が白っぽい壁、天井で、ナチュラル系の床、建具という組み合わせです。若い時にはかなり徹底してコーディネイトしたりもしましたが、結局は住む人のパワーの前には無力であることを知り、だんだんとニュートラルの方向になっていったのです。

 

最近の建築家のインテリアは白一色で、ガラスと天然木が多用される傾向にあります。これもある意味ニュートラルなインテリアです。でも強烈に白い空間、という強い個性とも成り得ます。ガラスは外壁に使われ、木は内装の一部や床に使われます。これらも内部がスケスケの建物になったり、浴室や洗面が丸見えになったりもしています。白やガラスだけの色味は無彩色と呼ばれ、言わば無色の世界です。

 

無彩色の緊張感ある室内、は完成時には人目を引きます。でもやはり、住む人の生活のパワーには勝てないです。色々な色があふれてきて、結局は色が支配してしまいます。

でもこれが生活の色でしょう。住宅なんて、そんなものだと思います。