土足の家

アメリカの住宅のエントランス
アメリカの住宅のエントランス

Mudroom という部屋があります。直訳すれば「泥の部屋」ですが、別に汚い部屋ではありません。アメリカでは土足で室内に入りますが、実際には室内が汚れるので、泥などで汚れた靴のままで室内にはいることはありません。泥汚れの靴を脱いで、室内履きに履き替える場所がMudroom です。言わば玄関のようなものですが、実際にメインの入口の脇にシューズクロークとして置かれていることもあれば、裏口やガレージからの出入り口付近に、庭いじりの倉庫と兼ねて置かれている事もあります。いずれにしろ、汚れたままの靴で室内に入ることは、原則として禁止です。

 

実際、土足の家の掃除は大変だろうと思います。大きなビルやマンションのように、メインエントランスから部屋までに距離があり、その間に汚れがふるい落とされていれば良いですが、戸建ての住宅では直接室内に入ってしまいますので、その汚れは推して知るべしです。もしきれい好きの奥様だったら、きっと許せないでしょう。西部開拓時代の泥道の世界ではないので、室内はやはりきれいにして、床に座っても大丈夫な様にしたいところです。

 

いかに土足の世界と言っても、実は欧米人も室内では室内履きに履き替えます。家によって異なりますが、最近では玄関に入ってすぐに靴を脱ぎ、室内履きに履き替える家も普通にあります。その為入口の内部を、部分的にタイル張りなどで床材を変えているお宅もあります。まるで日本の玄関土間みたいですが、段差はありません。なんとなく境界がある、という程度です。

 

日本の玄関も、その程度で良いのではないかとも考えます。わざわざ段差を付ける意味は、現代ではほとんど無いでしょう。実際、マンションなどでは、段差が2~3cmの所も多くあるくらいですから。ゼロでも支障は無いような気がします。戸建てでは、汚れ靴の対策として、裏口を設けるのも手でしょう。その分、メインの入口は開放したい気がしますし、1000年以上続いてきた結界を消滅させたい気もします。武家屋敷ではないので、もう玄関は必要ないのではないでしょうか。