地震の無い国

バンコクの住宅現場  木のように細いコンクリートの柱です
バンコクの住宅現場  木のように細いコンクリートの柱です

地震が有るのと無いのとでは、建築は大きく異なります。地震というのは、基本的に横に動く力ですが、地面が動かない限り、建物に働く横に動く力は、風だけです。ですが、風に対しては建物にそれなりの重量が有ればそれほど心配はありません。但し超高層などは別ですが。

 

日本では地震で発生する横力は、何回も変えられ、現在では建物の重量と同等の力が横に働く状態まで条件に加えて構造計算がされています。35年前までは重量の20%だけだったことを考えると、ずいぶん変わりました。恐らく、地震の力で壊れる建築は無いでしょう。有るのは、地震による二次災害です。津波、土砂崩れ、地盤の液状化、火災などなど。それだけ日本の建築は頑丈にできています。

 

一方、地震の無い国では横に働く力など、最初から無視しています。石を積み重ねるだけだったり、細い柱だけで支えたり、ほとんど宙に浮くように建っていたりと、有りえないー!と思うような建築が、平然と建っています。その中でも、構造材の細さは格別です。日本人の目から見れば、竹ヒゴの様な細さの柱で建築が成立しています。実際、建物の自重だけを支えるなら、十分なのでしょう。全くもって、うらやましい限りです。

それだけ細ければ、もちろん建設コストもかなり低いです。恐らく工期も短いでしょう。安くて、美しくて、繊細で、早くできる。日本では絶対に得られない建物です。

 

私が今居る大学のこの校舎も、来年には建替えられます。耐震強度が無く、耐震補強もできないからです。新しく校舎を建て、そちらに丸ごと引越しです。もちろんまだまだ寿命ではありません。トイレは汚いですが。

100年も150年も建っている地震のない国の建築を見ると、うらやましくなります。リフォームだけで使い続けることができるのですから。年を取ると、必ずしも新築は好きではありません。古い建物が好きです。

地震なんて、無ければ良いのですが・・・