竹富島の住宅2

チャーギが軒を支えています
チャーギが軒を支えています

沖縄やその周辺の島々の住宅は、昔から島に生息していたチャーギと呼ばれる木で作られています。チャーギというのはマキの木の一種で、九州地方程度までで生育している熱帯地方の木です。この木は非常に硬く、しかも水に強く、腐敗することもありません。また、シロアリに対しても強い様で、表面がカサカサになりがらも100年以上平気で保っています。なので、このチャーギで建てられた木造住宅は、屋根さえ手入れすれば100年でも保っています。

 

竹富島にはこの木造住宅がたくさん残っています。そして保存地区に指定されたため、維持管理もされるようになり、屋根を葺き替えながら長く住み続けているのです。

 

なら、このチャーギで木造住宅を建てればいいのに、と思うのですが、残念ながらそうも行きません。チャーギは非常に成長が遅く、柱に使うには50年以上は最低必要で、しかも痩せた厳しい環境で育った木でないと、硬く締まらないという特徴があります。肥料をやって肥えた土地でなら成長も早いのですが、そのチャーギは柔らかくて、保ちが悪いそうです。つまり、量産が出来ないのです。竹富では1件の家を建てると、次の家のために自分で裏庭などにチャーギを植えて、数十年掛けて育ててきたそうです。そして孫の時代などに建替えたり新築する際に使ってきたそうです。

 

隣の石垣島にも既にチャーギは無くなっています。使うだけ使って、植林していないからです。今生えているのは、竹竿程度の細いチャーギしかありません。ましてや沖縄本島ではとても追いつきません。

 

竹富の集落は異次元です。強い日射しの中で、時がゆっくりと動き、人間の生活速度が、自然の輪廻の速度に沿っています。木の成長速度に合わせたライフスタイルが面々と伝わってきていたのです。竹富の美しさの背景には、そんな人生が潜んでいました。