ワカマツグラシ3

既存家屋の天井を剥がした写真です。民家によくある松の木を使った小屋梁が出てきました。屋根の野地板は杉の胴ぶち材で、その上に土を乗せて瓦を敷いてあります。日本の在来工法の通りの作り方です。

 

現在、消防署や建築審査課と協議を続けているのは、この建物の防火性能に関してです。

今建っている地域は準防火地域と呼ばれる、建物に一定の防火性能が求められる地域です。その部分に消防署は神経質になっています。地域全体が古い木造住宅の密集地で、消防の重点化監視地域に指定されているので、無理からぬ判断です。

 

一定の防火性能を持たせて欲しい、と言うのは理解できます。

外壁は土塗り壁ですが、長い間に部分的に増改築を繰り返しているため、土塗り壁が無くなり、トタン板1枚だけとなっている箇所がかなりあります。屋根も同じくで、増築部分はトタン板だけです。隣近所には、外壁が杉の板張りの住戸もあり、確かに一軒から火が出るとすごい勢いで類焼するでしょう。それを心配しているのが消防署です。

 

理解はできるのですが、どうやって改修するかが問題です。隣家と10cm程度まで接近しているので、外壁をいじる事ができません。屋根は、隣と連続して葺かれています。一部だけ交換する事もままなりません。

出来る範囲での最善は尽くしたいのですが、出来ない事もあります。

そこの解決策が出ないのです。

 

中古住宅や空き家を活性化させろ、という国の指針が出ています。役所としては、進んでこのプロジェクトに協力したいのですが、判断は出したくない、と言うのが本音です。

誰かが、責任を取らなければならない状況で止まっている訳です。